全世界で800万部以上売れているサピエンス全史の上巻を読みました。発売して間もなく購入したにも関わらず、部屋のインテリアと化していたのですが、ようやく上巻を読み終えました!
購入したきっかけは幼いころから生き物が好きで、遺伝学的な種分類に興味があったことです。遺伝学的な側面から、人類の進化を解説する本かと思い、購入しました。
実際には、他の人類(ネアンデルタール人やデニソワ人等)ではなくなぜホモ・サピエンスが繁栄することができたのか、現在の世界がどのようにして生まれたのかを経済学や歴史、科学、思想など様々な視点から解説されています。そしてこれから人類はどのように変化していくのかその予測も書かれています。
一般書ではありますが、歴史に疎い私にとっては前提知識がないため、難解な内容でした。上下巻合計約600ページあり、内容も難しいですが、読みごたえがあり、何度も読み返したくなる本です。まんがでわかるシリーズが発売していることやサピエンス全史を図解した記事がTwitterのトップトレンド入りを果たしたことがあること、挫折者が多いことから、恐らく多くの方が難しい内容だと感じているのでしょう。(Amazonのレビューを見る限り、まんがでわかるシリーズは本書と内容が異なるようです)
紹介
サピエンス全史(上)の中で、特に面白いと思った内容を紹介します。
どのようにして現代の人類に変化したのか
紀元前1万年頃、狩猟生活を送っていた人類は農業を発明し定住生活を送るようになりました。
動物の群れのように無数にある民族や小国などの小集合だった人類はその後、数千年という年月をかけて、徐々に1つにまとまっていきます。
全人類の統合を速めた要因に貨幣の発明、帝国の侵略、宗教の誕生という3つの要素が挙げられます。貨幣も国も宗教も想像上の存在です。
この想像上の存在「虚構」を信じることによって、見知らぬ人と協力できるようになり、大きな1つの集合になることができました。
よく考えると硬貨や紙幣自体には物質的な価値はないですよね。洗濯ばさみの方が実用性があります。しかし、多くの人が硬貨や紙幣には価値があると信じているから、価値があるのです。
世界中の人々が貨幣は存在するし、価値があると信じているからこそ、お金さえあれば文化や言語の壁を越えて、繋がることができるようになりました。
貨幣はそれ自体が信用と価値をもっているので、人種や民族、言語を越えて人と人を繋ぐ偉大な発明品だと思いました。一方で貨幣が発明されたことで、人の命も売り買いされるようになってしまったという負の面もあることを忘れないようにしたいですね。
これから人類はどう変化していくのか
今後もグローバル化が進み国家や固有の文化もなくなることが予想されます。日本でも日本語よりメジャーな外国語を勉強することは当たり前になっていますし、他国由来の料理を当たり前のように食べていますね。現在では他民族を侵略するようなことはなくなりましたが、徐々に文化が混ざり合い1つになっていきます。
二一世紀が進むにつれ、国民主義は急速に衰えている。しだいに多くの人が、特定の民族や国籍の人ではなく全人類が政治的権力の正当な源泉であると信じ、人権を擁護して全人類の利益を守ることが政治の指針であるべきと考えるようになってきている。だとすれば、二〇〇近い独立国があるというのは、その邪魔にこそなれ、助けにはならない。スウェーデン人も、インドネシア人も、ナイジェリア人も同じ人権を享受してしかるべきなのだから、単一のグローバルな政府が人権を擁護するほうが簡単ではないか?
引用「サピエンス全史(上)」
例えば、ある国では手が余るほどたくさん医者がいる一方で、別の国では医者の手が足りていないとしましょう。国という境界線があるため、医者が別の国へ行って自国のように医療行為をすることはできません。このとき、国という存在は邪魔でしかないですね。
心掛けていること
私がサピエンス全史(上)を読み終えてからこれまで以上に心掛けていることを実践例を挙げながら簡単にまとめます。誰でもできることしかしていません。
情報収集をする
地域のイベントに参加したり、たくさんの人と会うことで、地域の人の興味や関心、悩みなどを分析しています。インターネットで、日本だけでなく世界のニュース記事をえり好みせずチェックするようにしています。マクロとミクロの視点から情報を仕入れ、情報に対し、自分の考えを持つようにしています。
実践例
当塾では小学生向けにSTEM教育とプログラミング教育を行うステモンを開講しております。
世界的にSTEM教育という言葉は認知されており、インターナショナルスクールの授業にステモンを採用している学校や、ステモンの入会生の保護者の外国人の割合も高いです。世界的に注目度の高いSTEM教育ですが、最近になって小学校のプログラミング必修化が決定したこともあり、日本でもメディアで耳にするようになってきました。
STEM分野の技術・人材の需要が今後高まる中、2018年5月の段階でとある県は教育委員会も含め大人は関心がありませんでした。(私が取材したとある県教育委員会の担当者からは各小学校に何をするかはお任せしますという回答をいただきました。)
マクロ(世界) | ミクロ(うちの県) |
STEM分野への投資が増える
技能を身に着ける必要性も高くなる |
STEM分野について無関心
STEM分野に関心がある子は多いが学ぶ環境がない |
マクロとミクロに視点から情報を収集し、STEM教育について学べる環境を整えたいという考えが生まれました。そして現在主流の学習塾とは違う手法を提供したいという思いからステモンを開講いたしました。
ステモンを選んだきっかけは勉強というより遊びに近い形で学ぶことです。子どもは勉強よりも遊ぶことが大切だと考えています。最近テレビにも出演した全米最優秀女子高生で優勝したスカイ・ボークさんの母であるボーク重子さんのインタビュー記事でもアメリカの名門学校の学び方について書かれています。
--名門校に通わせる親御さんたちに共通する特徴はどのようなものですか。
ボーク重子さん:誰もが口をそろえるのは「子ども時代は子どもらしく」ということです。早くから文字の正しい綴りや計算をさせるなどの早期英才教育は一切なく、小学校3年生までは宿題もありませんでしたから、放課後は学校の校庭や公園で泥んこになって遊ばせていました。小学校では九九も覚えさせないし、綴りの間違いも正しません。その代わり授業は、たとえば掛け算の原理をバスルームのタイルを使って1か月くらいかけ、試行錯誤の連続のなかで学びます。あまりにも回りくどくて、私も見ていてもどかしい思いをすることもありましたが、周囲の親はあたたかく見守っていましたね。
驚くのは、こんなのんびりした毎日を送っていても、最終的には卒業生の多くがアイビーリーグをはじめとした名門大学に進学していくことです。今になって「大学受験のために秘密の特訓を受けさせてなかった?」とママ友の多くに改めて尋ねたのですが、その質問自体にポカンとされたくらいです(笑)。実はそんな回りくどい学びの過程で思考力がぐんぐん伸びていたわけです。私はアジア系に多い、早く高密度で徹底的な教育を施す「タイガー・マザー」ではなかったので、娘のスカイも同じような調子でしたが、SAT(※2)の数学は満点でした。
(※2)SAT:アメリカの大学進学適性試験のこと。
目標をもって計画的に勉強する
なんとなく勉強をしないように心がけています。ゆるくても長期的・中期的・短期的な目標と計画を立て勉強するようにしています。
実践例
2018年11月現在、私は、簿記やファイナンシャルプランナー技能士、中小企業診断士などの資格の勉強をしています。簿記2級・ファイナンシャルプランナー技能士2級はそれぞれ2年で取れるように、中小企業診断士は10年後に取れるように受験日から逆算して計画を立てています。
そのほか、2つ以上事業を試行錯誤しながら1年後に収益化できるように進めています。このHPも2月までに個別指導とステモンのコンテンツ紹介が完成するように目標設定をして作り方を勉強しながら作っています。(*^-^*)
個別指導について
当塾では、主体的・計画的に勉強していける人を育成することをコンセプトに個別指導コースを開講しています。大手民間企業の社員時代に事業経営に携わっていました。その経験から利益を上げていくには目標管理や計画を立てて実践していくことの大切さを学びました。それ以前の中学校教員時代は目標はとりあえず立てるもの。計画はなんとなく立てる程度でした。なぜなら計画通りにいくことはないからです。周りの先生ももちろん生徒も目標や計画の大切さを理解している者はいませんでした。当塾では大手民間企業的なマネジメントスキルと心理学・教育学を融合した個別指導を行います。ティーチングではなくコーチング・コンサルティングに近い指導を行い、進んで学ぶ力を身につくようにしていきます。目先の学力向上を目指す従来の学習スタイルでは長期的な成長スキルは身につかないと考えております。大学生になった途端に遊び始めてしまう学生が多いのも目標や計画を立てる習慣がないからだと考えております。興味がありましたらご相談ください。